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 ふたりで家を

 02-1 予算が決まらなければ、始まらない!


設計開始!!!
1998年。
静岡で川崎市の家を設計する遠距離設計(?)が始まった。
えっ?設計事務所はどこにしたかって?
私たち夫婦はふたりとも建築士。
それも設計事務所を開く準備中の建築士、
自分たちで自宅を設計しないわけがありません。
学生時代に出会ってからふたりで散歩しながら、
あ〜だこ〜だと町並みについて言い合ってきた知識の蓄積を、
今こそアウトプットする時なのだ。

早速、敷地となる、妻が1歳から13歳までを過ごした
古い家が建つ土地周辺のスナップ写真を撮り、
簡単な実測をして静岡に戻った。
この家には、妻の子供時代の懐かしい思い出がいっぱい詰まっている。
さあ、敷地のデータも手元にそろった。
ふたりの望む家についての話し合いは日頃からしているし、
いよいよラフプラン開始……?
と思ったが、いや待てよ。
仕事ではあまり考えなくてもよかったが、今は「施主」なのだ。
ラフプランより先に考えなければいけない
重要なことがあるのを すっかり忘れていた。
それは「施主」としての自覚があればまず真っ先に考えること。
予算計画!
予算が決まらなければ、
家の広さも仕上げも構造のイメージさえも全く湧いてこない!
今後独立して設計事務所をはじめようと予定している私たち。
現在の貯金を頭金にして、
無理なくローンを組んで支払っていける金額を出さなければならない。
しかも「家を建てる」ということは、
建物本体に掛かるお金だけではすまないことは、
建築家である私たちが一番よく知っている。
そして「家を持ち続ける」ということは、固定資産税やメンテナンス費、
それから火災保険なども必要になってくるということ。
竣工と同時に貯金も空っぽ、不動産取得税のお知らせがきて 大慌て、
なんていうのはいくらなんでもまずいよね、プロとして……。
本体工事費のほかに照明器具、外構費などはもちろん、
地鎮祭、建前費用、 それから工事中の職人さんへの差し入れ、
1年目までの固定資産税も予算計画にいれておこう。

1998年5月。
やっと、やっと「マイホームプロジェクト」が始まったというのに運悪く、
予定より早く東京に 戻ることになってしまった。
最初の計画ではできあがった新築のマイホームに戻るつもりだったのに、
戻ったのは 築35年、愛着はあるものの、ぼろぼろの古い家だ。
しかも、ここに戻ったことで建て替える時には、
また仮住まいに引っ越さなければならなく なり、
予算計画には「引越し代(2回分)」と「仮住まい費7ヶ月分」が
付け加えられた。
この追加金額はバカにならず、
引越しは運べるものはできるだけ自分たちで運ぼう、
仮住まいは敷金礼金を返してもらえる安いアパートを探そう、と話し合って、
「引越し・仮住まい費 100万円」が追加となった。
「マイホームプロジェクト」にかけられる総予算は、すべて込みで3100万円。
建築にかけられるのはそのうち2650万円。
これが私たちの出した結論だった。
同時に銀行にローンの打診をしつつ、
今度こそ古い家でのラフプランが開始となった。























 
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