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  建築家のコラム
ふたりで家を
03-3 大切なものはなに?
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●設計案、大どんでん返し
私たち夫婦は散歩が大好き。
時間があればすぐに散歩に出かける。
特別遠くに行くわけでもなく、近所をぷらぷらとするだけだ。
何回同じ道を通っても、結構新しい発見があったりするものだ。
仕事柄、建物を見てしまうことはもちろんだが、
「この表札のつけ方いいね」
「角のお宅のハナミズキが咲いたね」といったささやかなことに気づき、
夕暮れ時になれば、窓に灯る明かりや外灯の効果で
昼間とは違った表情の街並みが現れる。
そんなこともあって家を建てるにあたっては、
最初から「街並みへの日頃のお返しに オープン外構にしよう」と
私達は話し合っていた。
でも敷地は北側道路、
通常なら南の樹木は建物が邪魔して道路からは見てはもらえない。
素晴らしい満開の百日紅(さるすべり)を、
何とか私たち以外の「散歩人」にも見てもらえないかな……。
街並みに出会う。
防御するのみに走らずに、私たちがこれから生きていくこの街並みに、
何か優しい接点を もてないかな。
そこには今度こそ大切なバイクや自転車があって、
犬も心地よく過ごせる 空間だったら最高。
そして仕事と生活の精神的な境界となれば言うこと無い。
…そうだ!!! 二人で頭を突き合わせリプランしていくと、
突然いけるんじゃないかという可能性のドアが開かれた。
その時のドキドキした気持ちは今も忘れられない。
それは家の真ん中に道路から庭まで一気に抜ける
“通り土間”のあるプランだった。
そしてその土間を挟み込むように、
食堂とアトリエ(仕事場)が配されている。
住居と仕事場との「境界」であり、心地よい“抜け”の「空間」であり、
街並への「接点」でもある土間。 土間にはバイクが納まり、
犬が寝そべり、通り土間を抜けた向こう側には満開の百日紅。
そしてそれを私たちが仕事をしながら、食事をしながら
室内から眺める光景が頭の中にはっきりと浮かんだ。
同時に、「1階にある広めのLDK」。
これが苦悩の末、私たちの捨てたものだった。 |




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