●「敷地」は「現場」となった
1999年 3月25日
妻が幼い頃暮らした家の解体が、いよいよ始まった。
その日私達は壊されていく古家のことを想い胸が一杯だったが、
見に行くことはあえてしなかった。
1週間後廃材が運びだされたその場所は、
新しい家を建てるべく「敷地」へとすっかり 変貌していた。
長年見慣れた家がたった1軒なくなることで、辺りの雰囲気は一変していた。
建物の与える影響というのは、その敷地内だけに留まらず、
周りの空気感のようなものまで巻き込んでしまうものなのだ。
言わばこの街並みにとっては新参物とも言える、
これから建てる私達の設計した家は、ちゃんと環境に馴染んでくれるかな…。
けやきの大木は工事に備えて、とりあえず長く伸びた枝を
鳶に丸坊主に切り落としてもらった。
4月12日、雨の晴れ間に無事地鎮祭を済ませ、
そして「敷地」は「現場」となった。 |