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 ふたりで家を

 05-4 現場は止まらない


体験を共有できる幸せ
先行発注してあったサッシや床材が港に届き、現場に引き渡しに来るという
連絡が入った。
発注前はまだ先の話と思っていたが、基礎や建て方と現場監理に追われている
うちに、2ヶ月が過ぎていたということだ。
カタログやサンプルで確認しているとは言え、
無垢の木は工業製品と違って均一な素材ではないので、
最後は現物を見なければどのようなものかわからない。 
早速私達は現場に現物確認に向かった。
「見合い写真」でしか拝見したことのない相手に会いに行くというのは、
こんな感じでしょうか。
…床材は覚悟はしていたが、それ以上にラフなものだった。
工務店は、かなりの量をトラックの荷台上でつき返した様子。
船からの荷卸しの際に傷めた風な傷もある。
理解はしていたが、輸入建材にはこんなリスクもあるのだ。
棟梁は梱包を解き、1枚づつチェックの上、節のあるもの等、
比較的悪い部分を納戸やベッド下に敷いて、
いいものを優先的に居間や食堂に使いましょうと言う。
請負金額には全く反映されないこんな地味で
細やかな配慮の積み重ねが、出来上がりを左右していくのだ。
ロットの揃った高級建材を使えれば、
こんな気遣いは必要ないのかもしれないが、
低予算の中で良い家を作ろうと棟梁が一緒に頑張ってくれていることは、
どんな高級建材にも代えがたい喜びだった。
できあがりだけを見たら、気が付かないかもしれないようなささやかな努力、
その一つ一つを家作りに携わる人全てが協力し合って実行し、
体験として共有していく― それが物をつくっていく上での幸せの正体かもしれない。
まだまだ先は長い。
棟梁の細やかな気遣い


 
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