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  建築家のコラム
ふたりで家を
06-2 迷ってはいけない
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●迷わなければいけない
結果として作りたい空間は勿論ある。
しかしその手段としての方法を考える時、私達は悩んだり迷ってばかりいる。
設計が始まってから、ずっとずっとその繰返しだと言っても良いだろう。
優柔不断? 迷うのはいけないこと?
いや私達は迷うことこそが大切と考えている。
だって悩んだり迷ったりするということは、
多角的に物事を捉えているという証拠とも言える。
又は自分一人の意見ではなく、他の人の希望を満たそうとする故かもしれない。
いずれにしても、建築に限らず「迷うこと」がきっかけで、
人は様々なことを視野に入れて 考えるようになる。
「悩んで考えて決定する」
そのプロセスこそが大切に思えて仕方ない。
そしてこのプロセスは絶対に省いてはいけないのだとも思う。
幸せなことに?まだまだ迷わなければいけないことはたくさんあった。
今回こだわった外装、杉の羽目板竪張りの塗装の色がその一つだ。
見当はつけておいたが、決定はこれからだ。
板を張り始めるのは梅雨明けからだが、
その前にあらかじめ実加工の部分に防腐材と 塗装を施しておく。
そうしておくと張りあがって木材が収縮した場合に無塗装の木地が
見えてしまうことを防げるのだ。
外観はこの色でほとんど左右されてしまうので、
慎重に選択しなければいけない。
塗料の色サンプルは手元に勿論あったが、色というのは本当に難しく、
下地の色によって変ってしまう。
更に今回難しいのは下地が杉で、これまた一言で杉といっても色の巾がある。
今回使用するのは、防虫防腐効果の高い赤みの部分。
念には念をということで、すでに納入されていた杉板をカットし、
数枚塗料メーカーの工場に送り、
実際に何種類かの色を塗ってもらうことにした。
返送されてきたものは、色サンプルとは全く異なるものだった。
これだから色は危ない、危ない。
やっぱりしつこいようだが、現物でサンプルをつくってもらって良かった…。
雨の日、晴れの日、曇りの日。
私達はこのサンプルを手に現場に通った。
その度ごとに違った色として目に映り、私達はますます混乱していった。
エボニ−(黒檀の意)と言われる「黒系」にも以前から興味があり、
検討してきたがどうも踏み切れない。
よく山荘等に使われていて、森林のなかでは驚くほど黒が自然に見える。
しかし色は廻りの環境を映しこむものだから、
周囲の木々があっての「エボニー」なのだ。
目立とうとは思わない。
私達が住むこの町の中にすんなりととけこんで、洋風でもなく和風でもなく、
ただただ自然にそこに存在している色。
本を見たり、他の町並みを散歩したり、両親や棟梁の意見を聞いたりしながら
二人でとことん話し合い、「シルバーポプラ」と言うグレー系を選んだ。
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