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  建築家のコラム
ふたりで家を
09-1 最終回
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●道しるべ
2000年秋
ポストに1通の封筒が届いた。
応募していた神奈川県の第45回建築コンクールの結果のお知らせだ。
夏に1次審査が通り、現地審査が1ヶ月程前に行われていた。
現地審査の当日は施工した工務店の棟梁にも足を運んでもらい、
例の杉板の目地底の塗装の件等工夫した点について説明してもらった。
審査員を前に、私達と棟梁は不思議な連帯感で結ばれていた。
専門家に見られるというのは、喜びとともに非常に緊張感を伴う。
いくつかの質問に答えつつ、2階の吹き抜けにきた時、
とある審査員がそこから庭のけやきを眺めながら、
「気持ちいいですね」と一言おっしゃった。
結果は住宅部門優秀賞という喜ばしいものだった。
この賞は設計者のみに与えられるものではなく、
各々の立場で建物造りに携わった施主、施工者、設計者の三者に
与えられるという主旨のもので、それが何より私達は嬉しかった。
今後、私達が設計事務所を開いて建物を造っていく上で迷うことが
あったら一つの方向を示してくれたこの「家造り」に、何度でも立ち戻ろう。
家を建てるというのは、予算に始まり敷地条件、法規、デザイン、
家族の異なる意見、 施工上の問題…
きりがない数々の問題を解決しなければならない。
それは施主、設計者、施工者いずれも一者で頑張って
解決できるものではない。
それぞれの立場から意見を出し合い、
話合いを重ねることが本当に大切だ。
三者で考え抜き、話し合う
― 全ての問題の解決はこのプロセスの中にしかない。 |
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