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 『建築家と家を建てることについての10章』 written by 中原洋

 09 シャワー派、お風呂派かで風呂場の設計は変わるはず


家を建てるということは、どんな暮らし方をしたいのか問い直されることだらけで、結構面倒ですね。
でも、それが面倒だと建売住宅、あるいはマンションを買うのが一番楽ということになります。
暮らし方の方を家に合わせるしかありません。

バスルームひとつとっても使い方で設計が変わる。シャワー派か、お湯に浸かる派か。
これでお風呂の作り方、仕掛けがずいぶん違う。単にシャワー好きとか湯船好きという
単純なことではなさそうです。

そのポイントの一つが、じつは朝にお湯をつかうか、夜に使うかの差だということに最近気づきました。
バスルームの環境が変わるのですね。
ぼくはアメリカ、ヨーロッパで暮らして、なぜかシャワー派になりました。
もちろん、それまではぼくも純日本式。夜、湯船にしっかり浸かるという風呂の使い方をしていました。
公団住宅に住んでいたからその方がよかったのです。
日本に帰ってきて、人が訪ねて見えた瞬間に、その人がお風呂好きかどうかすぐに分かることに
気づきました。気づかないのはその本人だけ。
それでますます朝のシャワー派になってしまいました。
慣れるとこれで気持ちよく身体も目覚めてくれますし、後の疲れもない。
そうなるとお風呂場の作り方が変わるのは当然でしょう。

朝のシャワー派のぼくとしては、お風呂場は朝の太陽を感じさせる場所であって欲しい。
朝日の中、強く熱い湯を浴びる。
加えて大事なことは、シャワーシステムがお風呂場にとってつけたようなのも嫌なんですね。
これで設計が変わりますよね。
もちろんゆったりしたバスタブを否定するものではありません。
ときにはバスタブのなかで贅沢な時間も過ごしたい。
だからバスルームへの要求は厳しくなってきています。

なお、同じシャワーでもイギリスで家を借りたとき、あちらのお風呂の使い方は、
相当にぼくらと違うことを発見しました。
かれらはまず、バスタブの中に湯を貯めて座る。
シャワーは頭を洗うとき、そして身体の石けんを流すとき使う。ただし、そのときも座りっぱなし。
ここがアメリカと違う。
アメリカ人は基本的に立ってシャワー。シャワーだけで入浴を終わりにする。
だからシャワーの湯量はたっぷりで、熱くなくてはいけない。
イギリスではシャワーのパワーは弱くても湯船のお湯で暖かくなっているから、少なくても我慢できる。
もちろん立たないからシャワーカーテンの必要なし。

ここ20年でかなりアメリカナイズされてきた気配はありますが。
バスルームの作り方が違ってきているので気づきました。


 
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