写真は佐原の蔵の改装、そのほんの一部です。
ご存知のように日本の伝統的な空間は光と影の中にあります。
蔵はひときわ、闇を内蔵しているといっていいでしょうか。
じつはこの蔵を長期で拝借できることになりました。
それで改装。使用目的は「別荘」とでもいったらいいでしょうか。
闇を大切にするために、ただ一つの窓からは入ってくる光を捕らえることにしました。
透明なアクリルの箱をつくって、サンドペーパーで細かな傷をつけ、
蔵の窓の内側に取り付けたものです。
アクリルの箱の傷の一本一本が光を受け止めて箱全体が一種の発光体に変化しました。
この箱は外の光を受けて変化してくれます。
蔵の闇の中に立つと、目が慣れるまで真っ暗です。
が、やがて箱を通した弱い光が蔵の壁や床をほんのりと照らし出してくれます。
一瞬ですが蔵の闇は、100年も前の日本の暮らしを見せてくれているかのようでもあります。
週末の家としては、別世界に浸れる感じで、もっか幸せです。
設計は郡裕美さん。