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 だまってられない!『辛口e時評』

 030 工事管理!と設計管理!嗚呼!・・・一級建築士が書いたトンデモ本?


[筆者・降圧剤 今回の血圧]↑↑降圧剤↑↑=激怒 ↑降圧剤↑=怒 ↑降圧剤↓=平常心 ↓降圧剤↓=リラックス

建築士法第2条には、
『「工事監理」とは、その者の責任において、工事を設計図書と照合し、
それが設計図書のとおりに実施されているかいないかを確認することをいう。』
とあり、18条には、
『建築士は、工事監理を行う場合において、
工事が設計図書のとおりに実施されていないと認めるときは、直ちに、工事施工者に注意を与え、
工事施工者がこれに従わないときは、その旨を建築主に報告しなければならない。』
と記されています。
施工者の社員であろうがなかろうが、工事監理者には極めて重い義務があります。

このように、「工事監理」は大変重要なものですが、それをしていないこと(弁護士のいう、
“監理放棄建築士”の存在)が欠陥建築を生じる大きな原因になっています。
もっとも、工事監理以前に、「設計図書」が過不足なくそろっていることが大前提ですが。

一級建築士が書いたという、
「建築士が生み出す欠陥住宅」(松島新二著、エール出版社)という本があります。
目次を見て驚きました。
『「工事管理」「設計管理」にだまされるな』と激しいタイトルの章があります。
「監理」でなく「管理」となっているのは、一瞬ミスプリントかと思いましたが、
前段の建築士法の引用もあり、本文にもたびたびでてきます。
ミスプリントではなく、“認識不足”のようです。
これは、調停と訴訟の区別のつかない弁護士(イルワケナイカ)が一般向けに訴訟の本を書いたようなもの。
基本的なことを誤っては本全体の信憑性が疑われますし、
なによりも、知らない人をミスリードしてしまうことが懸念されます。
設計者がおこなう工事監理(文中では工事管理)を否定するような乱暴な論理もあって、
シラケて買うのはやめました。
ただ、施工者やメーカー側が書いた多くの本がやっている、
「他を批判することによって、自分(自社)の立場を高めて、仕事の獲得に結び付ける」
という類いの本にはみえません。
巻末に“お決まり”の会社の名前や電話番号も書かれていません。
欠陥住宅問題が噴出し始めた99年に出版されたこの本、
機を見るに敏なようですが、出版意図はいまひとつ不明です。

なお、私がこのコラムを匿名で書くのは、仕事獲得のための我田引水(宣伝)ととられたくないからです。
他のメディアに書く時は、仕事上不利なことや、身に危険を覚える(オオゲサ?)テーマでも、
すべて実名で通しています。


(2002.07.01)


 
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