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『湘南のアトリエから』
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『湘南のアトリエから』
written&photo by
江口征男
01 気になる風景・・・scene1
『建築家なしの建築』(B・ルドフスキー著.渡辺武信訳.鹿島出版会)という本があります。
風土的(vernacular)、無名の(anonymous)、自然発生的(spontenous)、
土着的(indigenous)、田園的(rural)と言い表わされるような、
世界各地の無名の工匠たちによる、風土に根ざした建築、構築物を紹介しています。
さて、この写真。
鎌倉腰越の海岸に面した、
ボロボロですが美しい Hut(あばらや)です。
いつもシャッターが閉じているので
中はわかりませんが、
倉庫か車庫でしょうか。
屋根の錆びた波形亜鉛鉄板のパッチワーク。
壁の鉄板と窓によるコラージュ。
ぼくは、ここを通るたびに、
立ち止まり、しばし見とれてしまうのです。
無名で自然発生的な形には、アッケラカンとした力強さがあります。
外観を残しながら改造すれば、お洒落なカフェにもなりそうです。
いやそれよりも、借りてアトリエにしたい!
日常の設計作業のなかで
プロポーションにこだわり
目地をそろえたり、
線の数を減らしたり、
ディテールや質感や色彩に悩み
そして楽しみながら図面をなんども描きなおしていることなんか
笑い飛ばされてしまいそうです。
これを美しいと思うぼくはヘンでしょうか。
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