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  建築家のコラム
別冊 すまいや倶楽部通信
085 地鎮祭、上棟式
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建物の設計が終わり、建築費も調整し、施工業者との契約が終わると、いよいよ着工です。
日本のしきたりとして着工の前には地鎮祭(地祭り)を行うのが一般的です。
「この自然の土地に人工の物を建てることをお許しください」といった地面の神様にお許しを乞う儀式です。
4方に竹を建て、中央に神棚を設け、地面には砂を円錐型に盛ったものです。
神道なので、正式には建築する場所の氏神さんの神主さんに行っていただくものですが、
人手不足や資本主義の波で最近は地鎮祭の専門の業者といったものがあるので、
そちらを利用されることも多くなりました。
神棚には山のものとして大根などの野菜の他、なぜかパイナップル、
バナナなど、海のものとしてワカメ、鯛などのお供え物や、
塩、米、酒なども施主がいままで用意しなければいけなかったのですが、
それらをパッケージで行ってくれるからです。
金額は3〜4万円前後といったところでしょう。
比較的リーズナブルなので、家が建つまでの記念として
行うのがよいかも知れません。(神様に怒られるかな)
着工後、基礎工事が済み、骨組みを屋根まで組み、屋根に板を敷いたら、いわゆる上棟(棟上)です。
ここで上棟式(建て前)と言うイベントが行われます。
こちらは地鎮祭と違い、お施主様が大工さんや鳶(基礎屋)さんのこれまでの労をねぎらい、
今後も安全に工事を進めてくださいという意味で行います。
骨組みは大工さん一人では建てることが出来ないので、大工さんの友人などの応援を呼びます。
さらに鳶さん、鳶さんの友人などの応援などで10人前後にもなります。
昔は手で柱、梁を持ち上げて組んでいたのですが、今はレッカー車を使ってクレーンで持ち上げます。
なので一日で骨組みが出来るのが普通になっております。
骨組みも出来た夕方から、屋根に乗っていた職人さん達が下に降りてきて
1階の広いところを使ってベニアでテーブルを作り、柱で長いすを作ってくれます。
そこに寿司、煮物、から揚げ、乾き物、ビール、酒、お赤飯などのご馳走が並べられたら、
施主の挨拶と乾杯と共に宴が始まります。
お酒が入れば民謡を歌う職人さん、もみ手で手拍子をする人など個性的に楽しまれます。
中盤に差し掛かると、施主がご祝儀を職人さん一人一人に渡してお礼に回ります。
相場は大工の棟梁と鳶の頭が3万円、その他応援の人が1万円といったところでしょうか。
ご祝儀をもらった職人さんはご祝儀袋をすぐにしまわず、テーブルの上に置いたままにしておきます。
この後、鳶の頭がご祝儀のお礼に「木遣り」を披露するからです。
民謡の一種で頭の唄に合いの手が入ったり、声が通るので聴いていて気持ちの良い物です。
こんな風に宴は盛り上がり、気がつけば仮設の電気を使い遅くまで?といったこともあります。
最近は職人さん達は車で移動するので飲酒はご法度になり、本来の上棟式も盛り上がりに欠けてきたようです。
上棟式にかかる費用も30万円近くもしてしまうことにより、その姿もあまり見かけなくなりました。
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