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 別冊 すまいや倶楽部通信


 091 CAD(キャド)


設計者に必要な道具は紙と鉛筆。
頭でひらめいたアイデアを形にするためには、それらを伝達していかなければなりません。
以前は製図板にトレーシングペーパーを貼り、ホールダーという特殊な鉛筆を用いて
筆圧や芯先の太さを調整しながら、図面を綺麗に仕上げてゆきました。
夏になると手の汗がトレーシングペーパーに付き、その部分が伸びたり、にじんだりするので、
上に代わりの紙を敷いて対処したり、となかなか大変でした。
建物の規模が大きいと、分担して図面を描きます。
ある程度は共通のフォーマット(取り決め)をして、
全ての図面をまとめた時にちぐはぐにならないようにするのですが、
文字だけは個性が出てしまいます。
なので、誰が描いたか一目瞭然でした。
建物を完成させることが設計者の使命なのですが、
図面を綺麗に仕上げることも設計者のプライドのようなところもあり、腕の良い設計者の条件でもありました。
著名な建築家の図面を集めて解説している本まであるほどです。

安藤忠雄氏の図面も当時も注目されており、作品が雑誌で発表されると、決まって図面も添えられていました。
図面というより絵の感覚です。
恐らく実施図面は別にあると思いますが。

図面を描くためには、現物を知らないと細かくは描けません。
専門家に見せれば設計者の力量も計れます。
駆け出しの設計者は現場に足を運び、現場の職人さんに鍛えられながら学んでゆくのでした。

この鉛筆を使って図面を描く行為が、コンピューターを使って図面を描くようになりました。
この5年位で完全に変化したのです。
ソフトはCAD(Computer Aided Design)という図面を描くためのものを使います。
利点は、
1 図面を描くのが少し楽になりました。
正確な作図と作図スピードが、CADの大きなメリットと言えます。
連続した形や円、寸法記入の多い図面など、手作業では手間がかかっていたのが、マウスの操作で行えます。
線の修正が楽できれいに直せるのもポイントです。
2 複製が楽です。
作図、修正の回数が非常に多いこの業界では、
一度描いた複雑な図形や記号が、手軽に複製できます。
3 立体も描けます。
4 更にその立体をアニメに出来ます。

コンピューターソフトの為にバージョンアップが頻繁に行なわれます。
その度に設計者は操作を習得しなおします。
平面を描けば自動的に立面も三次元も描けてしまうと思われているかもしれませんが、
(もちろんそのような建築専用CADもあります)
デザイン性豊かな建物の場合には対処しきれないこともあるために、
平面なら平面だけを細かく描けるようなCADを使っています。
○平面が得意なCAD
○三次元が得意なCAD
○グラフィックが得意なCAD
とあるため、2,3種類のCADを使いこなしている設計者が多いです。

設計者本来の建築技術の習得に加え、CAD操作の習得も必要となっている今日です。



 
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