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 『9坪の家フォーラム』 written by 萩原修&萩原百合


 002 「洗濯物のこと」


百合さん 修さん フォーラム

生活感のある家

生活感のある家
ぼくと同世代の建築家に聞いた話である。
(ちなみにぼくは1961年生まれ。今年で40歳になる)
最近の同世代の依頼主は、家に生活感を持ち込みたくないという。
例えば、ホテルとか、カフェとか、ブティックみたいな家にして欲しいという。
なんだかわかったような、わからないような。いったいどういうことなんだろう?

だいたいからして、「生活感のない家」なんて成立するのだろうか?
「洗濯物」と言えば、生活感のかたまりのようなもの。
生活感のない家は、きっと洗濯物も排除しているに違いない。
乾燥機を使うか、クリーニング屋に頼むかして、
できる限り、洗濯物の存在をなくそうと努力しているだろう。

スミレアオイハウスの洗濯物問題は、いまだに解決していないとかみさんは言う。
設計の段階で、建物の外部によけいなものはつけたくないと、小泉さんは言った。
ぼくもそれには賛成だった。
洗濯物問題に関しては、生活より建物の美しさを優先したことになる。
でも、生活感のない家にしたいと思ったわけではない。

確かに、魅力的な商業施設を利用して育ったぼくらの世代は、
自分の家のデザインが不満でしかたない。
最近のデザイナーズ・マンションの人気や、建築家に家をデザインして欲しいと
思う人の気持ちもわかる。本当は「生活感のない家」にしたいのではなく、
「きちんとデザインされた家」を求めているだけなのかもしれない。

原型の増沢邸には、庭に丸太でできた3本足の物干があった。
それは、きっと家に 合わせて作られたものなのだろう。
生活に必要なものを、いかに美しくデザインするか。
増沢さんは、生活の細部にわたり、いろいろとこだわっていたに違いない。
ぼくらも、洗濯物も含めて生活をいかにデザインするかを
考え続けるしかないのだろう。
あなたの家と洗濯物は、どのようにデザインされていますか?



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