|
「ところで、例の洗濯物問題は解決したんですか?」
雑誌の取材に訪れた編集者は、にこにこしながら私の顔を覗き込んだ。
オヌシ、聞いてくれるな!
この家に暮らすようになって丸2年が過ぎようというのに、
未だスミレアオイハウスには干し場がない。
本日も、我が愛する洗濯物一団は室内を縦断する。
2階の床から、南を走る梁に向かって渡された竿に掴まっての大行進。
一部吹き抜けがあるからこそできるワザ。かもしれない。
もっとも、カッコイイ系の服が吊るされていたとしら、ソトからは洒落た店に
見えるかもしれないが、そこはやっぱりタオルもあれば靴下もありということで...。
うーん。早く何とかしたい!
本当のところ、天日干し派である私はソトに洗濯物を干して
パリッと乾かせたいと思う。
一方、夫は家を覆い隠すように洗濯物がチラチラ、布団がダラダラ干してある
姿は美しいとは言い難いと、設計の段階から訴えていた。
結局、納得できる答が見つからないまま、現実の暮らしが始まったというワケ。
洗濯物が「美しいかどうか」だなんて。
「んなこと言ったって、生活があるんだから仕方ないじゃん」で通してきた私も、
他家の実践を観察していくうちに
「いや〜、『生活=どう干したって構わない』ってわけじゃないんだよね」
と思うようになり、いつの間にか「どうしたら、感じよく干せるだろうか」と
研究する日々を送るようになった。
たとえば、庭木の枝を利用して干し場にすれば、洗濯物そのものが
建物や庭の一部になり、周りの風景に馴染むかもしれない。
あるいはシャツはシャツ、タオルはタオルというように、
種類別に一列に並ばせるだけでも、随分印象が変わるだろう。
いずれにせよソトと関係することだから、
嫌なものを見せられたと思われないように干したい。
ゆったりとした、穏やかな暮らしの営みが感じられるように...。
庭づくりに着手し始めたスミレアオイハウスでは、
幻と化すかにみえた洗濯物干し場問題に、ようやく一筋の光が見えてきた。
3年目にして、天日干しが実現できそうな気配。
“高く、種類別に、清清しく”が現実になる日は、すぐそこまで来ている。
|