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確かに、家を建てる時、銀行から多額のお金を借りることになった。
無事審査に通り、ホッとしてるのかと思いきや、
「よく、こんなボクに貸してくれるよな」
夫は、自分で自分を疑うように呟いた。
まぁまぁ。
先方が、サラリーマンのキミを信用して貸してくれると言ってるんだから、
我々は余計なこと考えなくていいの。
素直に「助かります」と言って、借りればいいのよ。
やれやれ。これで、万事うまくいくわい。
だけど、そう思うのは甘かった。実は、そこからが問題だったのだ。
まだ、基礎も打っていない時点での、工務店への支払い。
これはキツかった。
「建物費用の3分の1を、期日までに用意しなくちゃ」と夫が言う。
簡単に言うけど、
それって、これまでまとめて持ったことも数えたこともない額だよ!
しかも、建物ローンがおりる前に必要なんだというから、お手上げだ。
貯金も宝飾品も、金目のモノが何もない私たちにはどうすることもできない。
結局、親から3度に分けて借金することで、何とか急場をしのいだのだった。
ローンがおりたらおりたで、即、土地代のローン支払いがはじまる。
ん?
貸してくれるっていうから借りたのに。
借りたお金は、すぐ返しはじめるってことだったのね.....。家が建っていなくても。
ちょ、ちょっと待って。
実際に住んでいるアパートの家賃だって、
これまで通り支払わなくちゃならないでしょ。
まだ住んでいない土地代と、実際に借りている部屋代。
それを同時に払うなんて.....。
5ヶ月という期間限定ではあったけど、『住居費』は普段の倍近くになった。
この時期ほど、お金を意識したことはなかったし、
ちょっとでも不都合なことが起きると、すぐに
「家を建てるなんて変な考えを起こさなければよかった」
なんて思うのだった。
今、銀行の通帳を広げ、当時のお金動向を調べてみると、妙な気分になる。
100万あるいは1,000万単位のお金が、
預かり金額と支払金額の欄を行ったり来たりしていて、
一向に落ち着きがないのだ。
入ったと思ったら即刻なくなる、の繰り返し。
瞬間風速300キロくらいか。
目に見えない早さでバタバタとお金が駆け抜けていき、
家が建つ頃にはついに一銭も残すことなく消えている。
そして、まだまだ続くのか、このローン返済ってやつは。
できることなら、こちらもガツーン、バタバタッで終わらせたいよなぁ。
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