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 『9坪の家フォーラム』 written by 萩原修&萩原百合


 010 「塀」


百合さん 修さん フォーラム

塀がない家

家の休日



2001年夏のスミレアオイハウス
2001年夏の
スミレアオイハウス
スミレアオイハウスに住むまでは、
家のまわりを塀で囲むのがあたりまえだと思っていた。
もちろん、塀じゃなくて、生垣でもいい、
隣の家や道路との境を明確にする必要があると勝手に思い込んでいた。
もちろん、門も必要で、門には、表札とインターホンとポストと外灯という
思い込みがあった。

この家には、現在、塀も門も表札もインターホンも外灯もない。
あるのは、小さなポストだけ。
建物を建てるのが精一杯で、門や塀にまで考えやお金がまわらなかったのも
事実だけど、住んで2年半になるがたいした不都合もない。
これもいいんじゃないかと思えるようになった。

28坪の土地に建つ9坪の家。
四方は、南と北が道路で、西がアパート、東が一軒家である。
西と東には、それぞれ隣がつくった低いフェンスがあるが、
道路に面した南北には、塀も門もない。
なんともそっけない外構である。

はじめてこの家に訪ねてくる人の中には、
この無防備な姿に唖然とする人もいる。
まるで、土地の上にポンと小さな箱を置いただけのような姿である。
この家に泥棒がはいることより、この家を泥棒にもっていかれることを
心配した方がよさそうである。


南側の道路からは、大きな開口部で家の中が丸見えである。
まだ、敷地内にも入っていないのに、家の中の様子がわかってしまうというのは、
なんだかショールームみたいで不思議に感じるらしい。

そして、どこから敷地内に入ったらいいのかためらう人も多い。
敷地内には、門から入るものだという固定概念があるせいだろうか。
塀がないので、どこからでも入れるはずなのに、他人の敷地内に入れないのは、
『物理的な塀』以外に『心理的な塀』があるせいなのだろうか。

もしスミレアオイハウスのような塀がないオープンな家が、
町中にできたらどうなるんだろうか。
視界を遮っていた塀がひとつなくなることで、見えてくることは多い。
すべての塀をなくす必要はないかもしれないけど、
もう一度、それぞれの塀が本当に必要かどうか疑ってかかっても
いいのではないだろうか。

あなたの家の塀は、本当に必要ですか?


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